2026-04

小説

おもんないのが二人できるな

私はグラウンドの端で、子どもたちの練習を見ていた。ボールが、木に引っかかった。亥太郎が力を込めて蹴ったボールは、グラウンドの端のケヤキに吸い込まれ、枝の間で止まった。練習中の子どもたちが、いっせいに上を向く。「あ——」亥太郎はすでに動いてい...
子ども&保護者

個人優先の時代、チームは成り立つのか?

県大会出場をかけた試合の朝、子どもたちの声が少し堅い。ふざけているようで、どこか落ち着かない。アップの列に並ぶ足がいつもより速く動き、ボール回しの声も少しだけ大きい。緊張を隠すみたいに、みんなよく喋る。私はピッチ脇でメンバー表を見ながら、子...
子ども&保護者

待てない手

春の終わりの小学校の校庭には、暑さに変わる前のやわらかい空気が、まだ少し残っていた。白いラインの引かれたグラウンドを子どもたちが走るたび、細かい砂がふわりと浮く。笛が鳴る。遠くで歓声が上がる。試合と試合のあいだ、子どもたちは空いたスペースで...