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おもんないのが二人できるな

私はグラウンドの端で、子どもたちの練習を見ていた。ボールが、木に引っかかった。亥太郎が力を込めて蹴ったボールは、グラウンドの端のケヤキに吸い込まれ、枝の間で止まった。練習中の子どもたちが、いっせいに上を向く。「あ——」亥太郎はすでに動いてい...
子ども&保護者

個人優先の時代、チームは成り立つのか?

県大会出場をかけた試合の朝、子どもたちの声が少し堅い。ふざけているようで、どこか落ち着かない。アップの列に並ぶ足がいつもより速く動き、ボール回しの声も少しだけ大きい。緊張を隠すみたいに、みんなよく喋る。私はピッチ脇でメンバー表を見ながら、子...
子ども&保護者

待てない手

春の終わりの小学校の校庭には、暑さに変わる前のやわらかい空気が、まだ少し残っていた。白いラインの引かれたグラウンドを子どもたちが走るたび、細かい砂がふわりと浮く。笛が鳴る。遠くで歓声が上がる。試合と試合のあいだ、子どもたちは空いたスペースで...
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公正な朝

※ここから先はフィクションです公正な朝笛が鳴った。泥を踏む音が止まり、息だけが白く立ち上る。河川敷の朝は冷たい。風が声をグラウンドの端まで運ぶ。「集合!」新田は、いつも襟を正している人だった。ジャージにすら折り目があるように見える。声は低く...
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歪んだ公平

※ここから先はフィクションです歪んだ公平笛が鳴った。泥を踏む音が止まり、息だけが白く立ち上る。河川敷の朝は冷たい。風が声をグラウンドの端まで運ぶ。「集合!」新田は、いつも襟を正している人だった。ジャージにすら折り目があるように見える。声は低...
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書けた

どーも、毒コーチです。サボってた訳ではなくて、遊んでたんです。書けた今日のブログはサッカーのこと全然、関係ないので興味ない方はスルーしてください。ブログを再開して早々に書くのが止まってました。サボってたんじゃない、ちょっと新しいことをやって...
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熱血!真っ向勝負男!ヒデオ #3

【① 今日もまた何かが始まる】「だるいなぁ...新しいコーチ来んかな」グラウンドに子どもたちがダラダラと集まってくる。保護者たちもベンチに座り、スマホをいじっている。その中で一人、今日も高貴な姿のご婦人が立ち上がった。「真っ向勝負様! 今日...
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熱血!真っ向勝負男!ヒデオ #2

第2話「変わらないのは、お前だけだッ!」【① 遅刻、埋まる足】毎週土曜日、さわやかキッククラブの練習日。集合時間は朝9時。選手がパラパラと来るだが、9時5分になっても半分しか来ていない。ヒデオはグラウンドの真ん中で、地面をグリグリと足で擦っ...
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熱血!真っ向勝負男 ヒデオ

第1話「意味あるのか?は、だいたい意味ない」【① このチーム、もうおかしい】大阪の住宅街の片隅にある、弱小小学生サッカーチーム「さわやかキッククラブ」。在籍20人。ボールの空気は常に甘く、蹴るとポコンと頼りない音がする。子どもたちは走る前か...